パピートレーニングから
成犬の問題行動カウンセリングまで
 
クレア・ゲスト先生のセミナー

会場となったのは昨年9月にできた
ばかりの聴導犬・介助犬訓練センター
2009年5月2日〜6日に長野県の伊那で行われた、社会福祉法人日本聴導犬協会主催 クレア・ゲスト先生のセミナーに2日から4日までの3日間ゼンと参加してきました。

クレア・ゲスト女史は英国ペット行動カウンセリング協会元会長で前英国聴導犬協会の訓練部長。
何千頭ものシェルタードッグからの適性診断など実践に裏付けされた犬の行動学の権威者で、補助犬訓練、サーチ(癌探知など)犬育成のパイオニア訓練士。
現在は、Cancer and Bio-detection Dogs an organisation(がん及び生物的探知犬協会)のチーフ・
エグゼクティブ。
※クレア・ゲスト先生のサイト→http://www.cancerdogs.org.uk/

5月2日
5月3日

5月4日
犬の行動・嗅覚を最大限に活用 がんサーチ犬の原理と訓練
家庭犬に共通する聴導犬など補助犬の訓練理論
数千頭の犬たちが先生 シェルタードッグの選び方

【がんサーチ犬と糖尿病低血糖時アラート犬】
サーチ犬(探査犬)と言えば、これまでは麻薬、爆弾、放火、果物などが主流だったが、ここ数年で医学の分野においてもサーチ犬(アラート犬)が活躍している。
医学の分野ではてんかん発作のアラート犬が一番最初で、そこからがんや糖尿病の探知犬も作れるのでは?と発展する。
がんサーチ犬は探査犬分野の中では一番新しい。
クレア先生はがんサーチ犬の訓練の先駆者で、2002年からがんサーチ犬の訓練を始め2004年にはイギリスの医学雑誌で取り上げられ世界的なニュースとなる。
現在は、がんサーと低血糖時のアラート犬のトレーニングを行っている。

がんサーチ犬: いくつかの尿サンプルの臭いをかがせ、その中から膀胱がん患者の尿を見つけさせる。
 (膀胱がん)
低血糖時アラート犬 糖尿病患者と一緒に生活をして、低血糖になったらそれを知らせる。
最大で発作の45分位前に知らせることができるそう。

※がんサーチの分野はまだまだ発展途上中で、がんの種類によって探査方法が違い、探査しやすいものと難しいものがあるそうです。
 (皮膚ガンが一番探査させやすいそう。)

探査犬以前に、これまで多くの動物たちが人間のためにいろいろな形で利用・活用されてきたそうです。
●カナリア 炭鉱で使われ、炭坑内の状況が良くないとカナリアが死ぬため、炭坑内の状況判断に利用された。
●ウジ虫 ルワンダではウジ虫が傷口にいると傷の治癒率が高く、そこから傷口をきれいにするためにウジ虫を使うようになる。
●ヒル 指などを切り落としてしまった場合、ヒルに血を吸わせて壊死させないようにする。
●ジャイアントラット アフリカのジャイアントラットは嗅覚の能力とトレーニング能力が高く、90%の確率で結核を見つける。
●ハチやハエ 爆薬の臭いなど、空中の特定の臭いを探知させる。

ヒルやウジ虫の話は聞いたことありましたが、ハチやハエなども探査動物として利用されていたのは知らなかったので驚きました。
動物の訓練には様々な可能性が広がっているんですね〜。
ちなみに犬やラットにはオペラント条件付けで訓練をし、ハチやハエには古典的条件付けで訓練をするそうです。

【クレア先生のトレーニング理論】
まずトレーニングを行う前に必要なことは、以下の3つだそうです。
@トレーニング理論について理解すること。
Aトレーニング方法について熟知すること。
B犬の気質について理解すること。

クレア先生はがんサーチなどの訓練をする場合クリッカートレーニングを行っていて、基本的には
ルアートレーニングはしないとのこと。
と言うのも、ルアートレーニングをしてしまうと犬がフードに集中をしてしまい、考えることができなくなってしまったり、自分自身の行動に注目することができなくなってしまうため。
厳密には、トリーツを手に持ってトレーニングすることも“ルアー”になってしまうそう。
そのため、新しい行動を教えるときは手にトリーツを持たずにトレーニングした方が良いとのこと。

また、犬はハンドラーの気持ちを読んだり視線を追ったりするなど非常に能力が高いため、犬だけをトレーニングしているとその能力に頼ってしまうので、他の動物もトレーニングした方が良いとおっしゃっていました。

クリッカーを使いタッパ−の臭いをかがせる
トレーニングのデモをしているクレア先生。

シェルタードッグの選び方
クレア先生はこれまで何千頭ものシェルタードッグの適性診断を行い、補助犬、聴導犬、サーチ犬を育成してきました。
その経験から、数分犬を見ただけでその犬の性質・気質を見極めることができるそうです。
今回、犬の気質の見極め方についてのポイント等を教えていただきました。
 
性質判断(アセスメント)のポイント
●犬種が何かを見極める→何のために繁殖されたかが分かっていれば、将来的な性格、行動がある程度予測できる。
●同じ犬種でもショー系と作業系では性質が違うため、全く別ものとして考える。
●性別と年齢を知る。
●その犬が一番良い状態で評価する。
●シェルターでの適性診断では、犬が不安な状態であることを考慮しなければいけない。
●気質を判断するときは、白・黒で判断してはいけない!
 
犬の気質を判断する上で、人工的に繁殖されてたことから犬の遺伝子が多岐に渡っていることを理解しなければいけないとおっしゃっていました。
つまり、犬の気質は複雑で多角的に見て判断しなければいけないということ。
先生はアセスメントをする際に人間の心理学に基づいた独自の評価ツールを使っていて、この評価ツールによってより正確な性質判断ができるそうです。
今回実際に参加者の犬の性質診断もしていただいたのですが、見るべきポイントを短時間で判断して診断していて流石だなと感じました。

参加犬のアセスメントをしている先生


クレア先生と
今回初めて“がんサーチ犬”についての話を聞きましたが、とても面白かったです。
これまでテレビなどでがんサーチ犬について聞いたことがあったので、私はすでに実践で利用される確立されたトレーニングだと思っていたのですが、驚いたことに未だに「がん細胞に“臭い”があるのか?」ということすら医学的にも分かっておらず、まだまだ研究段階なんだそうです。
「これががんの臭い」というものがないため、トレーニングを行う先生たちも手探りのような状態でトレーニングを行っているんです。

また、このトレーニングは「がんサーチ犬」という補助犬的なものを作るために行っているのかと思っていたら、がんを見つける犬を育てることが目的なのではなく、
犬の能力を使ってこれからのがん治療の発展に役立てることだそうです
犬のトレーニングを人間の医学の発展に生かそうとしているなんて、驚きました!
今まで犬の訓練がしつけ関係以外でどんなことに役立つのかあまり考えたことがなかったですが、犬(動物)の訓練は様々な可能性を秘めているんですね!!

<K9ゲームで同じチームだった名古屋ハウラーズの面々が参加していました>

(一番左)日本聴導犬協会会長 有馬さん (真ん中)クレア先生
<セミナーの合間に介助犬のデモを見せていただきました>

くつ下を脱がせている ☆しろ君☆
 
<3日間宿泊させてもらった聴導犬・介助犬訓練センター>

中央アルプスと南アルプスに挟まれた素晴らしい環境で、
ドッグランも併設されていて、とても快適でした!!
<帰る日の夕飯>

センターで先生&協会スタッフ&宿泊者で晩餐会
この後GWの大渋滞の中帰宅しました(>_<) 
<中日新聞に初日の様子が掲載されました>

メインの写真は名古屋ハウラーズのメンバーだったマフィ!!
 

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